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プログラム

国産大麻草の種まきの見学と
ヘンプクリートに触れる

7000円(税別)/人

※現地までの交通費別途(実費)

日時 3月26日(火)10:00-12:00
・ヘンプクリート作りWS

*雨天のため、播種は中止となりました。
場所 場所:明和町インキュベーションセンター
住所:三重県多気郡明和町中村1272 -1 C棟
地図:Google マップ
備考:近鉄山田線「斎宮駅」から車で11分。

*雨天のため、播種がなくなりました。
*ヘンプクリートWSのみ上記の場所で開催します。
集合 直接現地にお越しください。
備考:建物前に駐車場あり
定員 10名

*対象:社会人以上
*応募多数の場合は先着順
持物 ・汚れても良い服装(またはエプロン等)

*WSでは大麻草の茎・石灰・水を混ぜる作業があります。

program

「大麻」という言葉にどんなイメージがあるかといえば、違法な薬物という悪いイメージが浮かぶのは「普通」だと思います。ですが、この植物にまつわる真実と歴史には奥深さがあります。

 

日本では、古来より大麻草を衣食住あらゆる場面で活用してきました。大麻草の茎の表面から取れる繊維は加工がしやすく、とても丈夫なため、衣服はもとより魚網、畳の縦糸、蚊帳、弓の弦など、丈夫な繊維が必要な場面では大麻の繊維を使うことは当たり前のことでした。また、麻の実(大麻の種子)は日常的に食べていましたし、繊維を剥いだ後の幹は建材(茅葺屋根の下地材)にするなど、まさに大麻草を余すことなく活用してきたんです。神社祭祀においても、精麻(大麻草の繊維を加工したもの)は祓具として利用され、今もなお欠かすことのできない大切な存在です。

 

それほどまでに日本の生活や伝統・神事に密着した農作物であった大麻草は、昭和29年には、全国に3万7000人もの栽培者がいたほど。

 

いわいる「マリファナ」などの薬物としての大麻には「THC(テトラヒドロカンナビノール)」という多幸感を覚える作用のある麻薬成分が存在します。ですが、日本で古来より栽培されてきた国産大麻草には、このTHCが極めて少なかったと言われています。にもかかわらず、戦後にできた「大麻取締法」は、大麻草を品種かぎらず規制をし、マリファナと国産大麻草の同一視も進んでいった結果、誤解がひろがってしまいます。

 

現在では、栽培者は全国で30名を下回り、伝統神事用を主な用途として、毎年県からの栽培許可を取りながら、日本の伝統文化を守り続けてきたこれまでがあります。

 

潮目が変わりはじめたのは2019年。

 

大麻草の持つ薬効成分のCBD(カンナビジオール)が「てんかん」をはじめとする難病治療に有効だということが認められ、日本の法改正議論が始まったのです。そしてその議論は、医療用途にとどまらず、種はスーパーフード、繊維は強度と軽量化に優れることから高級車のボディ、木質部は石灰と水を混ぜて「ヘンプクリート」と呼ばれる建材等への利用が海外で広がっている現状を踏まえ、日本でも産業利用を可能とする大麻取締法の改正へむけた議論が活発になっていきます。

 

一方、国に先駆けて動きがあったのは三重県でした。2023年2月に三重県一見勝之知事が三重県定例議会において「国に先んじて、先手先手で様々に対応していきたい」と神事用だけでなく、大麻を活用した研究開発・産業利用に対して答弁をしたことをきっかけに、3月には三重県明和町が「大麻でGX(グリーントランスフォーメーション)」を宣言。公有地での大麻草の栽培を始め、2050年に温室効果ガス実質ゼロ「ゼロカーボンシティ」にむけて、大麻草がその削減に貢献できるよう産業利用へと動きだします。実は、EUの公式サイトでは「1haの大麻草は、9-15tのCO2を吸収する」とされており、UNCTAD(国連貿易開発会議)では「最もCO2を吸収する作物」と呼ばれている極めて脱炭素に貢献できる植物なんです。仮に日本の現在の耕作放棄地「約28万ha」に大麻草を植えたなら、年間で280万tのCO2削減に寄与できる脱炭素効果が発揮できることになります。

 

そのような背景のなかで、昨年秋の臨時国会で改正法案が提出されました。そして2023年12月。実に75年ぶりに「大麻取締法」が大きく変わり、これまでの「部位規制」から「成分規制」、つまり「THC」の含有量によっての規制への見直しが可決されたことから、産業利用にむけた扉が開かれることになったのです。

 

大麻草はコットンに比べると同じ面積あたりの生産量は2倍。水の消費は1/3でよく、虫がつきにくいため農薬が少なくて済むという栽培過程においても環境負荷の低いのが特徴。加えて、種・葉・花・茎などのすべての部位を利用できる「全草利用」が可能な植物です。

 

一方で、かつて「大麻取締法」ができてからの75年間、産業利用の研究は全く進んでこなかったために、国内のおける栽培や加工、サプライチェーンの構築など産業化への課題は山積みです。

 

そこで一般財団法人KILTAは、日本において、大麻草栽培の歴史や意義についての正確な情報発信を行い、素材の可能性を追求してきた「一般社団法人麻産業創造開発機構(略称:HIDO)」と連携し、昨年度に産業用大麻の可能性を追求する企業参画研究会「ヘンプイノベーション研究会」を立ち上げました。

 

第1期は8社の企業等の参画をいただき、オンラインでの勉強会をはじめ、栽培畑へのフィールドスタディーを重ねてきました。今回は、2024年4月以降にスタートする第二期の研究会参加者を募るための説明会も兼ね、三重県明和町において①国産大麻草の播種の視察、②「ヘンプクリート」を実際につくってみる体験ワークショップ(WS講師:田島弘章 (株式会社リムズ 一級建築士、HIDOアドバイザリーボード、日本におけるヘンプクリートの第一人者)からなる国産大麻草に触れる機会をつくりました。

 

当日は、ヘンプの形をくり抜いた20cm×20cmの木枠をご用意し(TOP写真4枚目参照)、そこにヘンプクリートをこねて入れ込み固める作業をします。固まったあとは壁にかけたりもできますので、ぜひこの機会にヘンプクリートに触れてみていただければと思います。

 

2050年までにco2排出実質ゼロを国際公約にしている日本では、GXの実現にむけた脱炭素投資が進みます。特に先にあげた大麻草の茎と石灰と水で作る建材「ヘンプクリート」は、フランスでは公共建築物にも採用されており、建てたあともco2を吸収して硬化する性質もある面白い素材ですので、ぜひ素材や大麻草の産業利用に関心のある方は、まずは五感で体感しにいらしていただければ嬉しいです。

 

三重県明和町で皆様にお会いできることを心から楽しみにしております。

 


主催:ヘンプイノベーション株式会社
共催:HEMP HUB(一般社団法人麻産業創造開発機構)
共催:一般財団法人KILTA
協力:明和町、天津菅麻プロジェクト

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